2014年08月24日

ぶらり、徳島へ山間の集落と酒蔵巡りに行ってみた【後編】

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阿波池田を出発。

の前に、今日の帰りのルートを検討するためJR阿波池田駅に立ち寄ります。
いくつかの方法があったのですが、最も可能性の低いと思われる「サンライズ瀬戸」の空席状況を確認してみるためです。
半分だめもとで...
すると!!

駅員「ソロが1つ、シングルが2つ」空いています。
私「ええ?、シングルは2階ですか?1階ですか」

駅員が座席表で調べてくれた。そこは車端部の個室でした。

駅員「・・・1階ですね」
私「少し考えます」

と一旦は車に戻ったが、よくよく考えてみると車端部は稀少な平屋室ではないですか。
という訳で、いそいで駅に戻ってサンライズ瀬戸のキップを購入したのです。徳島から高松への特急券も一緒に購入。これで今日のタイムリミットが設定されました。

阿波池田を出て最初に向かう町が(旧)井川町辻です。

井川町辻は伊予街道沿いの旧道沿いに残る商家の町で、祖谷山や井内谷への谷口集落として江戸時代中期ごろより発展した町で、阿波池田同様にたばこ商でも栄えた町でした。しかし鉄道の開通に伴って阿波池田にその地位を譲る事になります。今でも旧道沿いには往時を偲ばせる家並みが残る町です。

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この町に来るのも実に3回目。
そしてこの井川町辻の町並みの外れに建つのが、清酒『芳水』で知られる芳水酒造です。創業は大正2年(1913)で、地元よりも県外に幅広く出荷されている徳島を代表する地酒の一つです。

『芳水』
芳水酒造 有限会社
三好市井川町辻231-2
0883-78-2014

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続いて隣り町の(旧)三加茂町。平成の合併では三好市と袂を分けて、吉野川を挟んだ対岸の三好町と合併し、東みよし町に。ちなみに(旧)三加茂町に三加茂という地名は無く、これは同町が昭和34年に加茂町と三庄村が合併した際にそれぞれの字を組み合わせて生まれたもの。

JR阿波加茂駅のすぐ裏手に建つ、清酒『可楽智』を醸す可楽智酒造は明治40年(1907)の創業で、地元消費分の酒しか造らない小さな蔵です。ゆえにお酒は一升瓶のみ。普通のお宅で連休中日の早朝だった為に、またの機会に。(一升瓶はちょっと大きすぎるし...)

『可楽智』
可楽智酒造 株式会社
三好郡東みよし町加茂2987-1
0883-82-2008

吉野川を渡って対岸の美馬町へ。
現在は周辺4町村と合併して美馬市になっています。

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(旧美馬町)の中心部は商店街も何も無い純農村地帯です。旧町役場の近く撫養街道の旧道沿いに、清酒『司菊』を醸す司菊酒造があります。創業は明治29年(1896)の小さな酒蔵ですが、県外にも多く出荷する徳島を代表する酒蔵の一つになりつつあります。
以前は灘の大手酒蔵の看板をいくつも掲げた、寂れた酒販店の様相でしたが、経営が安定したのか店舗をリニューアルしたようです。

『司菊』
司菊酒造 株式会社
美馬市美馬町字妙見93
0883-63-6061

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司菊酒造のすぐ裏手に、かつて『阿波鶴』というお酒を醸していた明星酒造があります。創業は明治2年(1869)と古い酒蔵ですが、現在は見た感じ酒造りは行っていないようで、倉庫内には大手清涼飲料メーカーのダンボールが山積みされていました。自醸はやめて流通業務に特化しているのでしょうか?

『阿波鶴』
明星酒造 有限会社
美馬市美馬町字喜来市71-1
0883-63-4663

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吉野川を渡り現在の美馬市の中心部となっている(旧)貞光町へ。
貞光は剣山の北の玄関口に発展した在郷町で、白壁とうだつの商家が軒を連ねる町として知られています。
この町並みの中に建つ、清酒『齢の友』を醸す阿川酒造の創業は明治15年(1882)で、この町で消費される分のお酒しか醸してしない小さな酒蔵です。

『齢の友』
阿川酒造 有限会社
美馬郡つるぎ町貞光字町11
0883-62-2011

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さて、ここから先は穴吹町から山間部へと入って行くわけですが、その前にちょっと隣りの山川町(現・吉野川市)に寄り道。地図から読み取る旧市街に何かあるかと行ってみたのですが、川東地区に少しだけ在町の商店街的な町並みがありました。

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そしてもう一つ、山間部に入る前に腹ごしらえをしておかねば、と少し早めの昼食。
今日もセルフのさぬきうどん。でもオーダーが入ってから茹で始めるので、うどんはしっかりとした食感で、出汁とともにめちゃ美味しかったです。中盛りのかけですが、ちくわのスライスも味が良くうどんにマッチします。これで320円は安い。

穴吹町穴吹地区は吉野川水運と穴吹川水運の中継基地として栄えた町ですが、それほど多くの商家が残されている分けではありませんでした。

国道429号線を山間部へと入っていきます。通行止めが無い事を祈りながら...。

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道は徐々に1.5車線から1車線ほどになっていきますが、休日の昼時だからなのか、結構交通量が多い。特に木屋平方面から車がバンバン来ます。まあ、これがある意味で精神的な安心感につながるのですが。

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穴吹町最奥の集落・古宮。出張所や農協に、郵便局や診療所もある集落ですが、街道に面した家々の7割近くが無人の廃屋で倒壊寸前。集落で一番大きな家がタクシー会社で、ここだけは現役。不思議で少し悲しくなる集落でした。

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そして木屋平村に到着。現在は美馬市となっています。剣山麓の最奥の村ですが、中心部はそこそこ発展していて活気もありました。

さて、ここから川井峠を越えて名西郡神山町方面へと抜けます。

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険しい峠越えを覚悟しましたが、それほどでもなく。峠のギリギリまで民家や集落があり、峠の頂上付近で川井トンネルを抜けて神山町へ。途中土砂災害もなくホッと一安心。

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鮎喰川に沿って山を下っていきます。
道も徐々に良くなっていき、かやぶき屋根の集落も点々とありました。

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少し開けて民家も増えてきたな、と思ったら大きな街村集落が。
ここはかつての上分上山村の中心部だった場所で、名西郡最奥の商業集落です。
この上分集落が結構大きく発展しているので、すぐ近くにあるかつての下分上山村の中心部には商業施設はありませんでした。

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さらに下ると神山町の町役場がある神領寄居地区。
国道がバイパスしている為に旧道沿いに静かな街村集落が残ります。

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神山町寄居地区に続く商業集落が神領上角(うえつの)地区で上一宮大粟神社の門前町でもあります。

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道の駅「温泉の里神山」もありますが、この集落に、清酒『白妙』を醸す名西酒造がありました。創業は大正8年(1919)でしたが、現在酒造りは行っておらず、敷地の一部は道の駅に。旧道沿いの酒蔵も取り壊して駐車場となっていました。

さて、まだ時刻は午後を過ぎたあたりです。
この神山町は鮎喰川上流部に位置する最奥の町でもありますが、実は徳島市とも接しています。山を2つほど越えれば徳島市街に出る距離にあります。

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鮎喰川にそってノンビリと徳島市街をめざす事にしました。

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途中の集落には等身大の人形のようなカカシが随所に。
徳島県で有名なカカシです。

元は住民の数よりカカシの方が多い事で有名になった東祖谷山村の名頃集落がルーツですが、ここまで人形カカシが広まってきたのでしょうか。

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途中から昨日と同じルートを通り、徳島市国府町にある酒蔵、清酒『旭牡丹』を醸す近藤松太郎商店へ。酒蔵の創業は嘉永元年(1848)と歴史が古いですが、おそらく酒造り以前からさまざまな商品を取り扱う商家だったのでしょう。今も酒蔵に併設して同じ経営の金物店・雑貨店が並びます。
お酒は地元消費分しか造らないようで、商品は本醸造から2〜3種類ありますが、すべて一升瓶でした。

『旭牡丹』
株式会社 近藤松太郎商店
徳島市国府町中197-1
088-642-0001

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そして最後に訪れたのが、少し遠くになりましたが、(旧)土成町(現・阿波市)にある日新酒類・太閤酒造場です。徳島で一番大きな酒蔵で、徳島市内にあった安政4年(1857)創業の太閤酒造場を昭和23年(1948)創業の総合酒販会社である日新酒類が吸収合併して生まれた会社で、清酒製造部門を移転したのが現在の社屋です。

『瓢太閤』(ひさごたいこう)
日新酒類株式会社・太閤酒造場
阿波市土成町郡176
088-695-3238

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さて、時刻は4時をまわりました。
そろそろ徳島市内では「阿波踊り」祭りの交通規制・交通渋滞が始まります。

交通量の多い道を避けながら徳島市内をめざします。

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徳島で最後の記念に食したのが「徳島ラーメン」。
甘辛い豚バラ肉が載っているのが特徴。

サンライズ出雲が高松駅を出発するのが21:26なので、それまでのつなぎで。
お腹が満たされたところで、レンタカーを返却。

買い込んだ徳島の地酒が詰まった重たいバックパックを背負いながら、阿波踊りで賑わう通りを駅目指して歩きました。

今回徳島をプリウスで走った距離は約650kmで、給油は27Lでした。
平均燃費は約24km、金額にして4,400円ほど。
結果的にはプリウスで大正解でした。

おしまい。



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