2016年08月26日

ぶらり、ジャガーXFに乗って山形の酒蔵を廻ってきた【第四話】

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さて、米沢市の酒蔵を終えて、今度はJR米坂線に沿って米沢盆地の西側を北上します。

最初の町、東置賜郡川西町(かわにしまち)には4軒の酒蔵があります。

町の玄関口はJR米坂線の羽前小松駅。

駅周辺が川西町の中心市街地です。

町の名の由来は最上川の西側に位置することに由来します。

古くは中世に伊達氏の家臣原田氏が城を構えて置賜地方を支配した政治の中心地で、越後街道の宿場町という機能も合わせ持った在郷町として賑わい、町にはいくつもの市が立ったとされています。

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最初の蔵は町の中心市街から東に少し離れた田園地帯の中にある福牡丹酒造へ。

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歴史の古い豪農を思わせる佇まいでしたが、門にはかつてあった福牡丹酒造の社名が外されていました。

どうもお酒を造っている様子がありません。

このあと地元の酒屋さんで伺ったところ、昨年廃業されてしまったとの事。

残念でした。

次は羽前小松の駅前商店街へ。

この界隈にはポツポツと古い町並みが残されていました。

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その商店街の一角に建つ嵐山酒造。

蔵元の姓は田畑ですが、嵐山という社名は出羽の国で「京の都の酒」に負けない酒を造るという意気込みを込めたもの。京都の嵐山に由来します。

創業は江戸時代中期の享保2年(1717)と歴史があります。

酒銘の『花娘』とは、ろみの醗酵の最後の段階で米粒が浮いた状態から「酒米桜花の如し」とイメージした事にちなむと、なんとも酒造りのロマンを感じさせる銘です。

『白銀蔵王』は純米吟醸酒と純米酒のブランド名です。

『花娘』『白銀蔵王』
醸造元:嵐山酒造株式会社
URL:なし
住所:山形県東置賜郡川西町大字上小松3182
電話:0238-42-3040
創業:享保2年(1717)


川西町の中心部から少し北へ。

最上川の支流・犬川が市街地の北端となりますが、この街の外れの丁字路に蔵を構えるのが県外にも名の知られる樽平酒造です。

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樽平酒造の創業は江戸時代初期の元禄年間(1688〜1704)という400年近い歴史を持ち、上杉家から苗字帯刀を許された家柄でした。

この樽平酒造のお酒はそれほど有名ではありません。

ただ、昭和3年から東京神楽坂に数奇屋造りで日本の居酒屋の中では元祖となる郷土料理の店、酒場「樽平」を開店。

酒銘『樽平』もこの時誕生したそうです。

その後、居酒屋「樽平」を都内に展開していきました。

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樽平酒造の社屋の母家・中蔵・東蔵・西蔵・土蔵・前蔵・樽蔵と掬粋巧芸館の本館並びに別館が文化庁指定の登録文化財に指定されています。

映画やドラマのロケでも使われています。

中でも築400年のかやぶきの母屋の茅葺き屋根は毎年吹き替えられているといいますから、すごい事です。

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ちなみに『樽平』という酒名は山形の古い方言で、気持ちよく酒に酔った状態を「たるべい」と言ったことに由来するとか。

『樽平』
醸造元:樽平酒造株式会社
URL:http://www.taruhei.co.jp/
住所:山形県東置賜郡川西町大字中小松2886
電話:0238-42-3101
創業:元禄年間(1695年頃)


この樽平酒造から北東郊外、犬川が最上川と合流する付近の大塚地区に最後の1軒があります。

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『羽陽一献』という銘のお酒を造る中沖酒造店です。

田園地帯の中に構える小さな農家の酒蔵という感じです。

創業はだいぶ若くて大正12年(1923)です。

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酒銘の『一献』は、まさに一献酌み交わす、一献差し上げるなど酒を楽しく和やかに飲んでもらいたいという気持ちを込めて銘々。

最近では「酒の華」「国の華」「京の華」など幻の酒米を復活させて酒造りを行っています。


『羽陽一献』
醸造元:株式会社中沖酒造店
URL:なし
住所:山形県東置賜郡川西町大字西大塚1792-3
電話:0238-42-4116
創業:大正12年(1923)


さて、次ぎはこのまま北上して長井市に向かいます。

が、その前にちょっと寄り道。

手前にある飯豊町(いいでまち)にある酒蔵を目指します。

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西置賜郡飯豊町は人口約8千人の町で、朝日連峰を背後とした散居集落の農村風景で知られています。

蔵は長井市との境界に近い中地区にある若乃井酒造です。

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蔵はほんとうにのどかな農村集落の一角にありました。

若乃井酒造の創業は明治33年(1890)で、若宮八幡宮のそばを流れる野川の下流に酒造りに適した井戸を掘り当てた事に由来する『若乃井』という銘。

町内に日本酒を貯蔵する「雪室」を確保し、造ったお酒をここに寝かせて出荷していることです。

地元の特約店に限定酒を出荷しているほか、飯豊町のの駅「道の駅・いいで」で主要ラインナップを取り揃えているそうです。

『若乃井』
醸造元:若乃井酒造株式会社
URL:http://www.wakanoi.jp/
住所:山形県西置賜郡飯豊町中947-3
電話:0238-72-2020
創業:明治33年(1890)

今回のお酒は蔵で教えてもらった長井市内の特約店で購入しました。

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長井市内の「あやめ公園」近くにある「まるはち酒店」さんです。

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さて、長井市は人口約2万8000人の町で、現在は山形鉄道の長井駅が街の玄関口です。

古くは最上川舟運の港町として栄えた商工業都市で、日本海に面した一大海運港であった酒田から最上川を経由して米沢に至る舟運ルートの終着港として繁栄しました。

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今も街のあちこちに、往事を忍ばせる町並みが残ります。

長井市には3軒の酒蔵がありますが、中心市街地にあるのは2軒。
もう1軒は郊外の田園地帯の中にあります。

まずは郊外の寺泉地区へ。

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のどかな田舎の農村の酒蔵といった感じの寺島酒造本舗は明治34年(1901)の創業。

酒銘の『朝瀧』は朝日連峰より流れ落ちる滝の音があたかも酒樽を打つ音のように聞こえたことから命名。

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お盆休みだったので、市内で取り扱っている酒販店を紹介してもらおうと電話をしたら、蔵の方(老夫婦)が快く対応してくれました。

作っている銘柄は3種類ほど。
結構高めの価格設定。
純米酒を買って蔵を後にしました。

『朝瀧』
醸造元:寺島酒造本舗
URL:なし
住所:山形県長井市寺泉3496
電話:0238-84-5388
創業:明治34年(1901)

さて、長井市の中心市外に入ります。

立派な家が沢山あります。

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十日町地区にある長沼合名会社は大正5年(1916)に酒造業を創業しますが、それ以前は呉服屋や養蚕業をやっていたそうです。

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現在の蔵元は12代目ですが、酒造業としては3代目とか。
蔵元は代々「惣右衛門」を名乗ります。

典型的な地元密着の酒蔵でしたが、特定名称酒の『惣邑』は市外そして県外に幅広く知られるようになり、現在は山形県を代表する銘柄の一つに成長しました。


『惣邑』『誉小桜』
醸造元:長沼合名会社
URL:なし
住所:山形県長井市十日町一丁目1-39
電話:0238-88-2007
創業:大正5年(1916)

そして市内最後は鈴木酒造店長井蔵となります。

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鈴木酒造店長井蔵の醸すお酒は『磐城壽』、そう福島県浪江町のお酒です。

浪江町といえば、東日本大震災と福島第一原発の被災によって避難地域に指定された町です。もっとも沿岸部の町も津波によって消滅しました。

鈴木酒造店も全てを失いました。

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しかし福島県の試験場に預けてあった酵母を使って鈴木酒造店は再起をはかります。

最初は会津の酒蔵から施設の一画借りての酒造りの再スタートでしたが、その後長井市の「東洋酒造」が後継者不在の為に廃業する事になった為、これを買い取り鈴木酒造店長井蔵としてスタートしたのです。平成23年の事です。

東洋酒造は最上川舟運で栄えた町の有力者が出資して昭和6年(1931)に創業。主力銘柄の『一生幸福』は鈴木酒造店が引き継ぎました。


『磐城壽』『一生幸福』
醸造元:株式会社鈴木酒造店 長井蔵
URL:なし
住所:山形県長井市四ツ谷1-2-21
電話:0238-88-2224
創業:昭和6年(1931)東洋酒造


次ぎは長井市の隣、人口約1万5000人の白鷹町にある加茂川酒造へ。

白鷹町は長井盆地の北端、廻りを白鷹山などの白鷹丘陵や朝日連峰に囲まれた町です。
江戸時代には最上川舟運の河港として発展し、近代には養蚕の町として栄えました。

山形鉄道フラワー長井線の終点、荒砥駅は白鷹町の中心市部ですが、かつての旧市街は最上川左岸でした。

鮎貝駅や新設された四季の郷駅のあたりが旧市街だそうです。

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その商店街の一角に建つ加茂川酒造は江戸時代後期の寛保元年(1741)の創業。

初代蔵元が鶴岡にあった酒蔵「加茂川」に奉公に出て、そこからのれん分けされたことから『加茂川』という銘が使われています。

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地元の米を使い、伝統的な生もと造りを行う蔵として知られています。


『加茂川』
醸造元:加茂川酒造株式会社
URL:http://www.kamogawa-syuzou.jp/
住所:山形県西置賜郡白鷹町大字鮎貝3258
電話:0238-85-3151
創業:寛保元年(1741)


さて、次ぎは最上川に沿って北上し、西村山郡朝日町(あさひまち)へと向かいます。

第五話につづく...。


山形の酒蔵。各蔵の地酒の紹介と感想はこちら「一路一会のぶらり、地酒日記」。




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