今年の年末年始は岩手県の八幡平にある松川温泉の旅館『松楓荘』で過ごしてきました。
八幡平は秋田県と岩手県にまたがる標高1,614 mの山とその周囲の高原で日本百名山にも挙げられていて、また十和田八幡平国立公園にも指定されています。
松川温泉には今回お世話になった松楓荘(しょうふうそう)の他に峡雲荘、松川荘の3軒の旅館と1軒のペンションがあります。
携帯電話も届かない(一部docomoはわずかに入る)秘境の湯治旅館。
(WiFiは飛んでるyo!)
さて、年末ギリギリに宿を確保できたのは運が良かった。
それも、希望条件の全てを満たしている。正直感動すら覚えました。
問題は現地までの交通手段「新幹線」である。
東北新幹線の速達列車「はやぶさ」は(秋田新幹線「こまち」含む)は全席指定で自由席は無い。
当然ながら、年末年始は全席予約済。おまけに移動の12月30日は帰省ラッシュのピークである。
なので、始発の東京駅から「やまびこ」の自由席の席取りダッシュに並ぶ事にした。
東京駅08時48分発→盛岡駅12時06分着の「やまびこ53号」が盛岡駅から松川温泉までのバスの接続が良い。少し早めに8時には東京駅に到着して22番線ホームの後ろ寄り3両「自由席車」をめざすと、すでに長蛇の列が出来ているではないか!
先へ進むと先頭車両の列は比較的短い。
まあ、なんとかなるか。一安心。
目の前には先発の新潟行き「とき」のE7系が止まっていた。
出発時刻が近づくにつれ、自分の後ろにも長蛇の列が出来始める。
E7系「とき」が出発して、しばらくして「やまびこ」が入線してきた。その時自分が思わぬミスをした事に気が付く。
「やまびこ」は当然ながらE7系では無く、予想していたE2系でも無く、何とE5系だったのだ。
最初入線してきたE5系を見て「ラッキー、今日はついている!」と思ったものの、やがて血の気が引いていった…。
E5系の先頭車両はノーズが15mもあるので、座席が中間車の半分くらいしか無いのである!
自分の前に並んでいる人数を数え、さらに車両後部のドアから流入してくる人数を計算すると、窓際などという贅沢ではなくとも、着座せきる可能性は五分と五分くらいではないか。
寒い中40分近く立ち続けてこの結果とか。
車内清掃が終わり、ドアが開くと共に一斉ダッシュ。まあ、なんとか通路側ではあるが着座する事ができました。盛岡までの約3時間が安堵されました。
「やまびこ53号」は定刻通り出発し、上野・大宮・宇都宮で通路も立ち席客で一杯に。
仙台から一気に減って、一関あたりで窓側の席も空き始めたので座席移動。
終点の盛岡駅にも定刻通り到着しました。
さて、ここから松川温泉までのバスは1日片道3本しかありません。
早朝の便を除くと、12時12分と13時42分です。
盛岡駅12時06分着の「やまびこ53号」だと、スムーズに行けば12時12分のバスに間に合います。
松川温泉までは約2時間のバス旅なので、14時くらいには宿に到着します。
しかし、宿のチェックインは15時からです。まあ、宿によっては早く着いても部屋に案内してくれる所もあるし、ロビーで1時間待たされるところもある。
ただ、今回はまわりにコンビニも商店街も何もない秘境の宿で4日間過ごす為の、飲み物などを仕入れる時間が必要でした。まあ、ダッシュすれば駅中や駅前のコンビニで買えなくも無い。が、せっかくなので昼食に盛岡グルメでも堪能したいと思い、最終便で行くことにしました。
いろいろ調べて、駅ビルの中にある焼肉店で「盛岡冷麺」を食べました。
結構値段がしますね。
今までいっぱい失敗していたので、生ビールを飲みたい誘惑をなんとか裁ち切りました。
噛みきれないほどのコシ。なるほど...。旨かったです。
ごちそうさまでした。
コンビニでお茶やアイスコーヒー、インスタントコーヒーなどを仕入れてもまだ40分ほど時間がありました。駅なかモールをぶらぶらして、10分ほど前に3番乗り場へ。
12時12分のバスを見送った際には、乗客は2人ほどしかいないので安心していましたが、この13時42分のバス乗り場にはまさかの長蛇の列。
まあ、ギリギリ座る事はできました。
それより、盛岡駅周辺で東京でお馴染みの国際興業バスに出会うとは思ってもいませんでした。実は岩手県交通バスは国際興業グループだったのです。
バスはしばらくは盛岡市街の路線バスとして走るので人の乗り降りが多いのですが、やがて郊外に出ると、乗客はほぼ八幡平方面にお住まいの方か旅行客。途中の乗降客はまったくいませんでした。
JR花輪線の大更(おおぶけ)駅に寄ってからいよいよ八幡平へ。
そして、八幡平マウンテンホテルでこのバスは終点。
ここから松川温泉までは「いすゞ自動車1968年式TSD40改型」のボンネットバスに乗り換えます。
もう、これだけでテンション上がりますよね。
ちなみに岩手県北バス(岩手県北自動車)は創業が昭和18年(1943)ですが、この社名から想像するように戦時中の企業統合によって生まれた会社で、その前身は1906年に乗合馬車を運行していた盛宮馬車でした。現在はみちのりホールディングスの傘下に入っています。
さて、いすゞ製のボンネットバスですが、まるで博物館から出てきたような文化財クラスの代物。今風のサスなんてものは当然なく、凍結した路面と相まって乗り心地はテーマパークのアトラクションを思わせる代物で旅情を満喫させてくれます。車内は結構満席。
シフトチェンジも経験が必要であろう事は想像できます。山間部の峠などでは時々変速時にスリップのような挙動をします。
こんなレトロなバスなのに盛岡地域交通ICカードの「iGUCA(イグカ)」と連携して「suica」も利用できるのがスゴイですね。
もっとも、松川温泉までの運賃は先ほどまで乗ってきた路線バスですでに精算済みなので、このボンネットバスでの「ピッ」はありませんでした。
14時すぎに松楓荘の入口である「松楓荘口」停留所に到着。
降りるのは僕だけでした。
バスは黒煙を勢いよく吐きながら山を登って行きます。
次は終点の松川温泉です。
バス停から松楓荘までは徒歩で5分ほど。雪の無い季節なら3分ほどでしょうか。
山小屋の様な温泉宿に到着(たどり着きました)
まさに秘境の湯治宿。
ここに数日間お世話になります。
最初の引き戸を開けて前室のようなこの場所が、この宿で唯一の喫煙場所となっています。
ちなみに私はいっさい吸いませんが。
さて、チェックインを済ませて、旅館内を説明して頂きながら部屋へと案内されました。
階段を上ると客室。右の通路を進むと内風呂や露天風呂など各温泉へと通じます。
日帰り入浴客はこの導線で行き来するわけです。
右は大広間なので、ここで湯上がりに休憩したり、昼は昼食も行っています。
フロントの横にあるのが売店。お土産や宿オリジナルの各種グッズの他、連泊客向けかカップラーメンなども売っています。またアルコール類はここで買うことができます。営業時間は夜22時くらいまで。
宿泊客は部屋に付けて、チェックアウト時に一括会計できます。
建物の中央部付近に自販機コーナーがあります。
アルコールは売っていません。
この宿の名物であった「洞窟風呂」は松川を吊り橋で渡った対岸にありましたが、今年の夏の水害によって吊り橋が流されてしまい、現在は閉鎖中との事でした。
(再開の見込みも不明)
中階段を登ると、そこが共用洗面所になります。
また、長期滞在する場合は、ここがゴミ分別集積所にもなっています。
客室への廊下。
小さな踏込がある二枚戸となっています。
建物が歪んでいる為、内側の戸は完全には閉まりません。
まあ、古建築木造旅館特有の味(愛嬌)として受け止めましょう。
部屋の鍵。まさに湯治旅館って感じ!!
今回泊まる部屋は「三十四番」でした。8畳に広縁がついたミドルクラスの部屋。
部屋によって座卓の大きさや広縁のイス(ソファ)がいろいろ違う様です。
さて、今回はこの温泉宿で連泊しながら、Macで動画編集や画像整理、ブログ記事執筆などいろいろな作業を使用としていたので、毎度、旅館やホテルでは電源が気になりますよね。
スタンダードな部屋には、コンセントが2カ所あります。
一つはテレビが電源を取っているコンセント。
そして、もう一つが広縁にある化粧鏡の横のコンセント。
ドライヤーなどを使用する為のコンセントで高い位置にあります。
このコンセントは宿泊前にいろいろ調べたブログなどでその存在は知っていました。
なので、延長電源タップやタコ足分岐タップなど持ってきていたので特に問題はありませんでした。
(基本、旅には必須アイテムとして持ち歩いています。状況に応じて2m、3mの延長コードも用意します)
荷物をほどき、室内着に着替えてMacBook等をセッティング。
温泉に使って、夕食の時間です。
松楓荘の宿泊プランは料理別が基本となっています。
(最上級には特別室の「浄瑠璃」コースがありますが)
ベーシックが「国産黒豚コース」
で、私が今回選んだコースで、おそらくほとんどの宿泊客が選ぶ主力のコースが
「(国産)黒毛和牛コース」となります。
基本「すき焼き」ですが、連泊する客には「しゃぶしゃぶ」などアレンジがあるそうです。
お刺身。刺身のツマは大根、人参などでサラダ仕立てになっていて、2種類のドレッシングやマヨネーズで味変を楽しみながら野菜を完食する事ができます。
これは面白い!!家でも参考になりますね!
天ぷらも。
結構量があります...。
アルコールは地酒各種の他、瓶ビール、缶ビール、そして生ビールがあります。
瓶ビール、缶ビールはキリンとアサヒ。
生ビールはプレミアムモルツでした。
次は当然ながら、熱燗でしょ。
残さない主義なので、なんとか完食。
満腹で部屋に戻って、横になり...そのまま寝てしまいました。
1日目、おしまいです。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
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