今年の夏もとりあえず、青春18キップを買ってみた。
今週の週末は会社の人間とサイクリングに出かける予定だったものの、おのおのの事情によって見送りとなってしまった。
とりあえず、先日まとめ買いした自転車関連の本を読みふけようかと思ったものの、どうせなら移動する列車の中で読むのは、面白い嗜好ではないかと思い立った。
そういえば首都圏でまだ未乗の路線がいくつか、細切れのように残っている。
距離が多いのは東京の外環状の役割を果たしている武蔵野線である。
元々は武蔵野貨物線に旅客列車を走らせたもので、沿線の人口増加によって利用客数にかぎって言えばメジャーな路線となった。
朝、4時半に家をでて、6時に東京駅の地下4階、京葉線ホームへたどりつく。
実は、私は京葉線の沿線で育ち、学生時代は毎日乗っていた路線である。東京駅内の400mにも及ぶ乗換えルートも懐かしさが込み上げてくる。
武蔵野線は京葉線と共に、元々は貨物専用線だったが、沿線人口の増加にともない旅客営業を始めたのだ。
東京ディズニーランドを抱えた京葉線は開通当初から現在に至るまで、準近郊線にしては新型車両が投入され続けているものの、一部同じ区間を走る武蔵野線は相変わらず地味そのものである。
今日これから乗るのも、なつかしい国鉄末期の205系であった。
一方、早朝の京葉線ホームに停まっていた列車に、なにか違和感を感じた。車両の長さがどうも短い。
武蔵野線の発車までまだ時間があったので、もしやと思って京葉線ホームへ行くと、案の定
「幻の連節台車列車・E331系」だああああっ。
まさか、実物を見ることが出来るとは。感動。
さらに、E331系京葉線が出発した後、入線してきたのは中央線や京浜東北線でお馴染み、JR東日本通勤列車のスタンダード
E233系ではないですか。
たまたま、前日にネットを徘徊していて同車の京葉線への投入を知ったのですが、まさかその翌日に見る事が出来るとは。
またまた幸先が良いそ、今日は。
武蔵野線は相変わらずの205系だが。
ガラガラの車内で一番前の運転席に最も近い席を確保して座っていたものの、発車間際にはかなりの乗車率となっていた。
西船橋では、かなりの満員状態。もはや車窓を眺められる状態では無かった。
沿線は大して見るべきものは無いものの、環状貨物線としてはいくつか興味のあるポイントもあったものの、後ろの窓すら振り向けない混雑ぶり。今朝早かった事もあって、終点の府中本町までほとんど寝てしまった。
府中本町から次は立川まで南武線で北上。この南武線も初めて乗る路線であった。
立川からは、拝島に出て五日市線で終点の武蔵五日市に行ってこいしてくる予定だったが、運よく?ダイヤが乱れ、青梅線直通と併合した「ホリデー快速」に乗ることができた。
拝島駅で青梅線と五日市線の分割が行われる。
首都圏で、かつE233系で分割併合が行われるとは。
地方路線でなおかつ旧国鉄車両の分割併合作業は、作業要員が多数で配線の脱着などの作業を行いますが、貫通作業が無い事を考えても一瞬で分割して何事も無かったかのように出発していくのに、ちょっと感動。さすが最新型列車である。
この駅は、奥多摩へ行き来する際に車で良く通ったのだが、列車で来るのは、そして駅に入ったのは今回が初めて。
ちなみに、都内で唯一の「村」である檜原村の数馬には、これまた都内で唯一の草葺き兜造りの集落が残されています。
終点の武蔵五日市駅は高架化されていて、近代化されている首都近郊線のようですが、実はここだけ。あとは極めて「地方」を錯覚させるような、田園の中を走る単線である。
さて、武蔵五日市から折り返しの五日市線は拝島止まり。ここから八高線で川越をめざす。
本来は高麗川で川越線に乗り換えるのだが、運よく川越直通がやってきた。(というか直通がメイン?)
ちなみに八高線は八王子から高麗川までは電化されているものの、高麗川から高崎までは気動車((ディーゼル車)で運行されている。
不思議なのが、この単線のローカル線で209系車両が投入されている事だ。あきらかに利用客数の多い今朝一番の武蔵野線が、古い205系なのにである。(理由は高出力の専用車両であるからなのだが)
で、やってきたのは、これまたサプライズ。
(噂の?)東京臨海高速鉄道で余剰となった70-000形改造車である209系3100番台ではないかあああああ。
まあ、車両自体は一世代前のものだし、中身は変わらないのだけども。なんか今日はついてるってかんじ?
川越からは、埼京線直通に乗って大宮で降車。
大宮からは湘南新宿ラインで三浦半島をめざす。
やってきたのは運よく「逗子行き」今日はついているな。
当然グリーン車(750円・モバイルSuica使用)をおごった。
いくつか持ってきた本も、1冊すでに読み終えて、残りはこの2冊。
リクライニングの座席で流れる車窓を横目に読書にふける。
眠くなったら寝る。なんて贅沢な余暇の過ごし方であろうか。
逗子からは横須賀線に乗り換えて終点の久里浜へ。
ここでもE217系の分割が行われた。11両+4両の15両編成で4両が久里浜まで行く車両である。
久里浜駅周辺は本当に何もない場所だった。何も無いというのは、地方のローカル色・郷愁感のある駅前商店街などを期待していたのだが、本当に何も無い。少し先に大型のショッピングセンターがポツリと置かれている。
さて、ここから折り返し、東京駅を通り越して、東京湾を半周して房総半島を横断、太平洋へ出るという、本日最長の乗車がはじまる。
なんだ、ひたすら電車に乗っているだけではないかと批判を受けそうだが、だってこれが目的だもん。
しかも、列車の行き先が上総一ノ宮であった。木更津でもよかったのだが。これも運命か。
もちろん、この155.5kmに及ぶ長時間乗車はグリーン車である。
本を1冊読み終え、2冊目に入り、途中うたた寝をして、列車は夕暮れ近くに上総一ノ宮へ到着。
もう少し時間があれば、鈍行で房総半島をぐるりと回ろうか、とも思ったものの、自宅に戻るのが深夜になるため、ここでUターン。
幸い、折り返しの出発時刻は40分ほどあるので、本日初めて改札を出て町にくりだした。
上総一ノ宮は県道側を車で通った事がある。駅前は郷愁感が多少あるものの、店が少ない。商店街は駅から離れた国道沿いにある。
とりあえず、地酒を求めて酒屋をさがす。
地方の酒屋では意外に地酒が無く、灘や伏見の大手の流通酒しか取り扱っていない場合が少なくは無いのだが、やっと見つけた小さな酒屋では、棚に地元2蔵の酒が並んでいました。
4合瓶は1蔵しかなかったので、1本だけ買って駅へもどる。
上総一ノ宮には、わずかながら、伝統的な建物がポツリポツリと点在していました。
駅へもどると、京浜東北線から退き、リフォームされて内房・外房線に転属されつつある209系が走り去っていった。これも初めて見た。
都心通勤車両そのままではなく、地方線でお馴染みの仕様に大改造されている。セミクロスシートのボックス席は、窓がかなりパノラマミックになっていて、景色がよさそうである。
夕焼けに照らされながら、外房線を後に。東京駅に着く前に本日用意した本はすべて読み終えました。
めでたし、めでたし。
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