通勤号が復活しました。先々週にパンクをして、そのままずっとマンションの駐輪場の片隅に放置され続けていた、かわいそうな通勤号でしたが、この度無事に退院しました。
しかも、パワーアップをして。
通勤号は道交法の歪みが生み出した、日本が誇る?多用途実用車で「ママちゃり」という不名誉なあだ名を与えられた自転車ですが、”これ”はそれに似てはいますが、実は「サイクルベースあさひ」オリジナル、見た目はママちゃりのクロスバイク的な不思議な自転車です。
「MTBの姿形をしたママちゃり」こと「MTBルック車」というのは昔からありますが、「ママチャリ・ルック車」というものは、誰も今まで考えつきはしなかったでしょう。コロンブスの卵的な発想です。いや、もしかしたらすでに考えていた人がいたかも知れませんが...。
まあ最近流行の「クロスバイク」というのも極めてあいまいで、定義が難しいカテゴリーの自転車ですが、まあこの自転車もある意味で「クロスバイク」に近いものかも知れません。
ママちゃりもその実用性は否定しません。ゆえに日常の通勤や買い物用には、わざわざママちゃりを買いそろえているのですが、”そういった”日常の使用でいうならば、素直に一般的なママちゃりを買った方が、よほど実用的でもありました。
しかし、なぜあえて、この不思議な自転車に轢かれたのか?
それは、一重に「整備性」この3文字に尽きます。「メンテナンス性」の方が分かりやすいでしょうか?
私はある程度、パーツの交換や日常のメンテナンス。パンク修理にブレーキ交換や調整などは自分で行いますが、こと”一般的なママちゃり”に関しては、正直手が出せません。
あまりに構造が複雑で、面倒くさく、世界の自転車の中でも日本国内だけの、いわば”ガラパゴス化”した構造。
フツーに考えれば、世界の自転車と同じ構造、パーツを使用すればコスト的にもメリットは多いと思うのですが、それは日本における独特の自転車文化。
「全天候型ノーメンテナンス」&「低ランニングコスト」
という、極めて消極的でありながら、日本では当たり前の価値基準にあると、私は思います。それは自転車に限らずクルマにも言える事ですが、維持費>性能という基準は、整備を自分で行えば逆転する要素かも知れませんが、そもそも自分の手は汚したく無い、知識も面倒臭い。特に機械の苦手な(?)お母さんの為の自転車であるから「ママちゃり」なのかも知れませんが...)
しかし、この「ママちゃり・ルック車」はメンテナンスが非常にしやすい。
なにより、コンポーネンツはみなMTBといっしょなのですから。ブレーキはVブレーキ。リアディレーラーは外装7段。シフターはグリップシフトですが、これはいくらでも交換可能です。
コンポーネンツという「概念」がこのママちゃりにあるという事は、いずれパーツのアップグレードも容易である事を意味しています。この事に関して言えば、我が家には、様々な自転車遍歴の中で、ノーマルから取り外した「新品同様」のコンポーネンツがたくさんストックされているので、この先も消耗品以外のパーツにはほとんど困ることはないでしょう。
今回のパンク修理では、ママちゃりでは極めて面倒臭く嫌われる後輪の取り外しも、この自転車では外装ギアにVブレーキなので、MTBと同じように簡単に行えます。(もっとも、クイックリリースとはいきませんが....)
しかし、今回このパンクを気にリアホイールを新規に入れ替えました。もちろんクイックリリースです。
と、いうのも購入当時のこの自転車はルック車で一般的な7段変速でした。それよりもグリップシフターが気に入らなかった。まあ、最新の上級モデルならまだ許せたのですが、この安物のシフターはとにかく硬く、扱いづらかったのです。そこで、家に眠っていた「DEORE」のラピッドファイヤーシフターを、この自転車に移植しようと考えました。しかしこのシフターは9速です。よって、8段変速用のホイールを新調したのでした。8段と9段はカセットスプロケのサイズが同一なので、9段を入れる事もできます。9段になるとチェーンもナローHGのモノが必要となりますが、この規格のチェーンは家にゴロゴロしているので、問題なし。
が、スプロケが無かった。他の旧車から取り外した8段ギアはこの先も必要無いと他人に譲ってしまったのです。でもまあ、ローが34Tのワイドレシオのギアをこの自転車に入れてもしょうがないので、今回スプロケも新規で購入しました。
カセットスプロケの交換は、道具さえあれば超簡単です。
【カセットスプロケット】SHIMANO DEORE CS-HG61-9 CassetteSprocket 11-28T
今回この自転車の為に購入したのは「DEOREクラス」では、かなり稀少な「12T−28T」です。
タイヤも26×1.25の細いシティタイヤに交換。チューブも他の自転車と同じ仏式バルブに。リムテープは頑丈なBBBのものにしました。もう、完全なクロスバイク仕様ですね。
ARAYA/アラヤ VP20 8スピード リア ホイール (WLR04000)
TIOGA/タイオガ シティスリッカー (26×1.25)
TIOGA/タイオガ インナーチューブ (26”×1.00〜1.25”/仏式バルブ) (TIT11300)
BBB/RIMTAPE BTI-93 【リムテープ】(703013)
ついでに山の無くなっていたブレーキパッドも買いました。BBBです。
【ブレーキシュー】BBB TRISTOP (BBS-16TOE) トライストップ
BBBのブレーキパッドは沢山グレードや種類があるのですが、どうも日本語オフィシャルサイトが無いようで、どれがどうなのやら、まるで分かりません。
唯一のショップの説明記事から、「鳴きが少ない」「ウェットにもドライにも発揮する制動力」「ダストも少ない(汚れ)」という、まるで究極のブレーキのようでありながらも、格安の(シマノDeoreの半分くらい)のものをチョイス。まあ、通勤用のママちゃりですから。
3色の色分けは材質やパッドの硬さの違いを表しているのか、それとも見た目だけのハッタリかは分かりませんが、価格が価格ですから。でも、フィーリングは良かったです。
そうそう、シフターをシマノDeore9段変速に交換したので、リアディレーラーも同じく家に眠っていたDeoreに交換しました。安物のグリップは、旧BD-1に着けていたスペシャライズドのエルゴノミックなグリップを再利用。
かなりパワーアップして生まれ変わった自転車の最終調整は、自宅近くの「あさひ」にお願いしました。勝手にパーツ交換した自転車も快く調整してくれました。場末の自転車屋も見習ってほしいものです。
先日「カンブリア宮殿」に「あさひ」の社長が出ていましたが、これが「あさひ」の教育・営業方針のようです。さすがですね〜。
今回の延命工事によって「オフィスプレス」への”入れ替え”がますます遠のいてしまいましたが、いずれ必ずお世話になる事でしょう。
しかし、今回この通勤号のパンクが、修理及びカスタマイズをするまでの間に、普段は旅行以外の時の普段はあまり乗らない、折り畳み自転車やすっかり自宅のディスプレイと化してした29erMTB、それにロードレーサー等々が「代車」として通勤シーンにおいて活躍する機会を与えてくれたのです。これにより、もはや...その存在すら危うくなってしまった通勤車ですが、この度の退院によって、再度メインキャストの座に帰り咲く...とは残念ながらなりませんでした。
晴の日には、スポーツ車での通勤でもまるで問題無い事が、この2週間であらためて実証されてしまったのです。まあ、通勤車が活躍するのは雨や台風など悪天候の日くらいになるのでしょうか?レギュラーの座から降ろされた上に、汚れ役だけ押しつけられてしまったような通勤車が少し可哀想になってきましたが、他の自転車も乗らずに飾られているのは、別の意味で可哀想であり、今後はこれら自転車ファミリーをバランス良く運用していきたいと思います。
最後に、今日もまた練馬区にある「北海道・帯広ラーメン・ロッキー」でラーメンを食しました。もちろん足は退院したばかりの通勤号です。
今日のチョイスは私のレギュラーメニューである「黒辛ラーメン」コクのある醤油ベースのラーメンで、辛さを選べますが、私はいつもの3倍で。自家製ラー油が辛さの中にマイルドな甘みがあって、本当に辛党をうならせます。
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