2011年04月02日

「東日本大震災」JR東日本太平洋側の在来線壊滅

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今回の大震災では福島県から青森県まで、太平洋側の在来線が壊滅的な被害を受けました。幹線である常磐線や仙台近郊路線の仙石線などを除くと、その大半はいつ
廃止になってもおかしくはないローカル線ばかりです。

この一方で、東北地方の新幹線の復旧工事は急ピッチで行われ、4月中に全線復旧する予定だといいます。

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JR東日本の発表によると、津波を受けた八戸線、山田線、大船渡線、気仙沼線、石巻線、仙石線、常磐線の7路線の約400キロと111駅のうち、まだ半分にも満たない約152キロの線路と、95駅の点検を終えたそうです。
その結果、大船渡線・陸前高田駅や気仙沼線・志津川駅など三陸沿岸に位置する駅舎が23駅も流失、線路の流失や埋没などが計720カ所に上り、その実態は
線路流失が18カ所で延長22キロ
橋げた流失7カ所
軌道の変形160カ所
橋りょうや高架橋の損傷10カ所
大半の区間が運行停止中で、再開の見通しは立っていないといいますが、テレビやネットでその被害を見ると、復活には1年近くを要するのではないかと思います。

今回の津波に加え、放射能汚染が広がる福島原発の30km圏内を走る常磐線の調査はまるで手つかず。新型特急車両も導入された常磐線はどうなっていくのでしょうか?。

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被害はJR東日本だけでなく、第三セクターの三陸鉄道南リアス線の列車1本が行方不明となり、中でも同社の南リアス線は壊滅的なダメージを受けています。

一部区間で運行を開始した北リアス線は久慈〜陸中野田間・宮古〜小本間で臨時ダイヤでの運行。
一方の南リアス線は・・・
「年間1億7000万円の赤字」を計上しながらも、必至で地元沿線の為に頑張っている姿をつい先月に見てきたばかりでした。しかし、自力での再生は不可能でしょう。無利子での融資ですら返済はできません。

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過去に震災から復旧した赤字ローカル線である大糸線・越美北線(JR西日本)のように、沿線の自治体の負担で復旧する事は、その自治体の多くが半ば消滅してしまったに近しい今回の震災では不可能であり、それは県レベルでも同じでしょう。

ただし、この三陸鉄道は元々旧国鉄の赤字廃止路線を引き継いで建設された経緯を持つために、ほとんどの区間が長大トンネルで抜ける高規格な路線でもあります。

しかし、JRから切り離された多くの第三セクター路線がそうであるように、貴重な収入源となる都市近郊路線はJRがしっかりと握っています。三陸鉄道も、八戸市街や(八戸線)仙台駅に乗り入れる事ができれば、もう少し経営が楽になるのではないでしょうか?相互乗り入れで十分です。

しかし、もはやこの状況下ではいかなる支援も功を成さないでしょう。ただでさえ利用の少ない沿線の人口もさらに激減してしまいました。
JR東日本としては、これを期に廃線にしたい気持ちがあるかも知れませんが、それは世論が許さないでしょう。

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これら三陸各線を新たに復旧するとしたら、山側の高台をトンネルと高架で抜ける高規格路線とするしかありません。もし三陸鉄道を救済するとしたら、仙台から八戸までの区間をすべて三陸鉄道に譲渡するか、三陸鉄道を解体して全区間をJRに組み込み三陸縦貫線を完成させるかの方法しか無いように思えます。

震災前の多くの駅は、市街地から遠く離れた場所にあり、沿線住民の生活の足にはなり得ていませんでした。忘れ去られた存在といっても過言ではありません。

今回、津波によってまるごと市街地を消失した自治体は、まったく新しい「町作り」いや「町創り」を行わなければいけません。住民の意思や諸権利の問題もありますが、おそらく国や県が中心となって、ダム建設による集落移転に匹敵する「新天地」の開発と入植が行われる事になるかも知れません。
その壮大なプロジェクトと一体となる、鉄道が住民の生活の中に入ってくような総合的な復興が行われる事を切に希望します。

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今回の震災の影響は思わぬ所にも影響を及ぼしつつあります。それは遠く離れた西日本、さらには全国の鉄道会社にまで広がりつつあります。JR西日本は2日、在来線の山陽線や紀勢線、和歌山線など京阪神を除いた一部区間で、運転本数を減らす「間引き運転」を始めると発表しました。

これは、旧式直流電車における「直流電動機ブラシ」と呼ぶ消耗部品の調達が困難になったことが要因で、ローカル線の代名詞とも言える非電化区間を走る気動車は対象外です。

電動機ブラシは直流モーターを回転させるために電気を流す役割を担う部品で、回転部に接触してどんどん摩耗するため、一定の使用期間を過ぎれば交換しなければなりません。

JR西日本は旧型電車の割合が高いという問題を抱え、さらにこの電動機ブラシの8割を日立化成工業から調達していることが影響しました。日立化成工業の工場は、福島原発の放射能漏れ事故に伴う避難指令によって操業停止が続き再開のメドがまるで立っていません。この電動機ブラシの生産は日立化成グループが国内シェアの5割を持ているため、他のメーカーでの増産は簡単ではありません。この問題は日本の鉄道業界全体にも広がりかねない問題なのです。


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posted by 太泉八雲 at 20:20| Comment(2) | TrackBack(0) | 出来事・雑記
この記事へのコメント
滅多に書き込みませんが太泉さんワールドを知る手がかりとして、頻繁に拝見していますよ。
さて、三陸沿岸のJR線の問題。津波により潰滅した町は、まずは地盤変動による再測量、そして都市計画からやり直すしかないように思います。すると、鉄道の線形も従来を踏襲する必要は無く、新たに計画せざるを得ない場合も出てくるはずです。駅の位置も含めてということになると、下手すると全線が完全に復旧するのは数年かかるかもしれませんね。
市街地を元通りに復旧させる計画とするのか、丘の上に新しい市街地を造成するのか、その辺りの方針を論ずる段階にも至っていない現状では、これらのJR線の復旧方針も立てられないのかもしれません。
JR線と三陸鉄道に分離していることもそれを難しくするかもしれません。
私も高校生の時に、山田線、南リアス線、大船渡線とこの地区の鉄道に乗りましたので、動向が大変心配です。
JR西日本もお粗末なものです。特に広島地区などは気動車は一部に新型車両は投入されていますが、電車は国鉄車両ばかりなので全てが電動ブラシとやらを使用する車両のようです。そのため首都圏以上に減便の影響を受け、データイムは5割削減です。理由はどうあれ、旧型車両を騙し騙し使い続けていることのツケが廻ってきていますね。
Posted by 孫右衛門 at 2011年04月03日 20:05
孫右衛門さん、いらっしゃいません。
三陸の復興は多くの課題を抱えていますが、それが災害大国日本のモデルケースにならなければ、同じ事の繰り返しとなります。

広島エリアでも5割削減ですか?JR西日本は台所事情が厳しいので、なかなか車両の更新が進みませんね。閑散地域の気動車は自治体がその購入費用を負担していたりしますから、年度のあたらしい車両になっていたりしますが、幹線になると、本数も半端でないので、更新はなかなか進まないのかも知れません。

ただ、昨年あたりから徐々に国鉄車両を入れ替える新型車両が続々と開発されています。
しかし大阪通勤圏でも、まだ古い車両がリニューアルされているものの、ばりばりの現役です。
この調子でいくと、広島は最後の方になってしまうのでしょうかね。
Posted by 太泉八雲 at 2011年04月04日 07:38
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