2011年04月10日

ぶらり、ORi BikeM10輪行・秩父往還を行く・後編

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さあ、いよいよ正丸峠を越えて秩父入りです。

が、ここで選択に迫られます。
標高636mの峠を越えていくか、それとも国道299号線「正丸トンネル」を抜けていくか。
今日の相棒は小径車の末っ子ORiBikeです。この自転車で峠越えはちょっと辛いかも...。

しかし、このトンネル案も非常にヤバイのです。

なにがヤバイかというと、まず長い。全長1,918m、つまり約2kmあります。
一応、歩道を確認。幅1mほどの歩道が車道から約30cm高めに設置されています。
そして、最もヤバイのがこのトンネルの通行車両。
意外に多いのですよ。交通量もさることながら大型車、特にダンプが。
秩父はセメントの町でもあります。西武鉄道もかつてはセメント輸送を行っていました。
秩父鉄道は今もセメント輸送を行っています。と、いうか親会社は太平洋セメント。

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話は逸れて今朝の電力使用量はこんな感じ。ここまで少ないと世の中の動きに若干の不安を覚えます。

さて、歩道の「規格」を何度も確認してから熟慮の末に、楽天的観測で「トンネル」案を選択。

まだ、この時間は交通量も少ないし...。

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さて、道幅が広いと思われた歩道も、薄暗いトンネル内では綱渡りのロープの上を走るようなものでした。

決死の覚悟で100mほど進んだころに後悔。しかし、後にはもう戻れません。
歩道と思われた場所は側溝のフタの上。走るとガタゴトと非常に不安定で、かつ振動に耐え続けなくてはいけません。
Fretta(BD-1)と違ってORiBikeにはサスペンションが無いのです。ゆえに振動がダイレクトに伝わってきます。
もっとも、Frettaのサスペンションでは、余計にハンドリングが不安定になっていたかも知れません。

予想外は、トンネルに入ったとたんに、ダンプや大型車の通行が多くなってきたこと。真横をトラックが走りゆけると、風圧で壁面に打ち付けられます。ただでさえ、”悪路”の為にスピードが出せない上に、この恐怖でよけいにビビリまくりです。

交通量が無ければ、車道を走って一気にトンネルを抜けることも考えましたが、今日それは死を意味します。
背後から大型車の迫り来る轟音を察知すると、一旦脚をついて防御の姿勢に。ゴーッッと”鉄の怪物”が真横を通過していくと、身体がフワッと揺さぶられます。

不思議なもので、壁に押さえつけられるのでは無く、車道側に引き寄せられるのですから、もう恐怖です。泣きたくなりました。

トンネルの中頃からは、湧水で路面はウエットに。このORiBikeにはリアに泥よけが着いていないのですが、まあこれほど低速で走っていたら大丈夫かな?と良い方向に解釈し、とにかく一刻も早くこのトンネルを抜けることに全神経を集中させました。

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どこまでも続く闇の先に、ようやく一筋の光が見えてきました。トンネルの出口ですよ。

光の間口がどんどん大きくなってきます。

そして、やっと地上に出ることができました。トンネルを出るとすぐに橋があって、その袂に「正丸トンネル開通記念碑」があり、橋の下を渓流・横瀬川が流れています。

いや〜空気がうまい。気温はそれほど高くは無いのに、汗びっしょです。

で、自転車に目をやると....

「いや〜あああああ!!」


新車のORiBikeが泥だらけです。


「いや〜あああああ!!」


シートポストにマウントアダプターで取り付けてあるリクセン&カウルのリュックも泥だらけです。
これは酷い。あまりに酷すぎる。

しかも、これ...ただの泥ではありませんよ。粒子が細かいのです。そうセメント....。

車体だけでなく、ギアやチェーンにも絡みまくり。まずすぎます。

道はひたすら秩父市街まで下り一本なのですが、もはや難関である郡境を越えた喜び、達成感などありません。横瀬川に併走する国道299号線を走りながら、どこか沢に降りられる場所で洗車をしなくてはいけません。

しかし、下れど下れどなかなか渓流は近づいてきません、ようやく沢に降りられるような場所を見つけても、そういう場所では必ず、鮎釣りをしている人がいるのです。さすがに、その横で自転車の汚れを落とすわけにはいきません。

あきらめかけていると、道の駅が見えてきました。とりあえず用も足したくなってきたので休憩する事に。休日の正午前で混雑している道の駅を、ただでさえ目を引く変わったデザインの自転車が、さらに泥だらけの姿はとうぜん人々の視線を集めます。
道の駅「果樹公園あしがくぼ」は西武鉄道秩父線の芦ヶ久保駅と併設している道の駅です。渓流沿いにあるので、おそらく親水公園のようなものがあるのでは...と川の近くにすべりこむと。

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「大正解!」


ありました。川辺まで階段で下りる事ができます。しかも、幸いな事に他の人影もありません。

早速ORiBikeを清流の中にドブリと。

今日はちょいポタリングのつもりだったので、タオルもウェスの類も持参していなかったので、ハンカチを使って、ジャブジャブ車体を傷付けないように、水を多く掛けながらセメント泥を洗い流しました。リュックも水がしみこむギリギリで表面を流します。日差しが強いのですぐに乾くでしょう。
今後の同様な事態のために、家に帰ったらリュックにも撥水加工をしておく事にします。

チェーンオイルに絡まった石灰砂は完全に除去はできませんでしたが、車体はそれなりにリフレッシュされたので、精神的な憂いは晴れました。

さすがに、観光客で溢れる秩父市街を泥だらけの姿を走る事を考えると、もうゾッとしました。

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道の駅を後に、横瀬市街まで下りが続きます。気持ちいい〜。カロリー消費が無いのがネックですが、景色も最高。ああ、「旅」って本当によいですね。心が軽くなると、ペダリングも軽くなります。

やがて、削り取られた山肌と、巨大なセメント工場群が見えてくると、もう秩父市街は目と鼻です。
右手に太平洋セメント、右手に宇部三菱セメント。
車では何度も行き来した道ですが、こうして自転車で訪れるとまた新鮮ですね。目線も違いますし。
国道を逸れて、車では入らない脇道に入ると、参詣道のような雰囲気が。これがかつでの本道でしょうか?

秩父神社まで辿り着いたら、地酒「武甲酒造」で記念写真。なんども来ているので今回はお酒は買いません。
そして、久々の秩父市内をぶらぶらしました。2年ぶりかも知れませんが、思ったよりも古い町並みが少ない。それでも現存する商家はほとんど保存改修が行われていました。

そしてちょうど、昼時。
ここで、ある事に気がつきます。
財布にお金がない。ATMも無い。
財布の中身と飲食店のメニューを見比べながら、うろうろ、うろうろ....
手堅くファーストフードというのは御法度です。せっかく苦労して秩父まで来たのですから、ギリギリの予算内でご当地B級グルメを2品食する事を決意。
秩父名物の「わらじカツ丼」と「みそポテト」

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「わらじカツ丼」は豚の薄切りロースで、細かいパン粉を薄く揚げているので見た目ほど重くはありません。味付けは甘辛い醤油ベースのタレです。一方の「みそポテト」はジャガイモの天ぷら。独特の甘い味噌がビールを誘います。
でも、ビール代は持ち合わせていません...。

まあ、アルコールの無い昼食もたまには身体に良いものですね。飲んでいるときは良いのですが、その後の怠さが辛いですから。

駅でORiBikeを畳んで、帰りは自宅の最寄り駅まで電車で帰りました。
今回のもう一つのミスは、ちょいポタリングのつもりだったので、GPSの計測を行っていなかった事。走行距離も移動高低差も記録がありません。残念!

財布は空ですが、どうやって電車で帰ったかと言えば、ずばり「モバイルSuica」。今や電車もバスも新幹線も携帯電話でピッと乗り降りできる時代なのですね。乗り物だけでなく、駅の売店や一部レストランなどでも。

ゆえに、特に買い物をするつもりが無いうえで、外出をすると、ついつい財布を忘れたり、中身を意識しなかったりしてしまうのです。電車に乗るのに切符を買う必要もないのですから、携帯電話さえ身につけていれば、どこへでも行けてしまいます。

さきほどのレストランで会計を行う際、レジの横にICカードの端末がある事に気がつきました。どうやらこのお店ではSuicaが使えたのです。と、言うことはアルコールも飲むことができたのです。

ああ、残念!!


ちなみに、関東以外にお住まいの方に「Suica」を説明しますと、「Suica」とはJR東日本のIC乗車カードの事です。モバイルSuicaは携帯電話の電子マネーにその機能を付与したもの。ちなみに私鉄・バスはPASMO(パスモ)といって、発行は別ですが相互利用が可能です。その他のJR各社では(Kitaca・北海道、TOICA・東海、ICOCA・西日本、SUGOCA・九州)があり、最近は相互利用が可能になりました。※ただし私鉄はまだ乗れません。


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posted by 太泉八雲 at 15:48| Comment(0) | TrackBack(0) | ぶらり、輪行やポタリング
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