非常に充実した6日間の山陰島根の旅も、その最終日は凄まじい暴風雨で撮影にもならず、それでも最大限に時間を有効活用して出雲市内へと戻りました。
市内でLAN環境のあるマクドナルドで最後のブログを書き込み、いよいよ駅へと向かいます。
叩きつけるような雨の中のレンタカー返却。大急ぎで出雲市駅の高架下に逃げ込みました。
時刻は17:50。東京行きサンライズ出雲の出発時刻18:55までまだ1時間以上あります。
車内での晩酌用にとつまみと飲み物を駅内にあるコンビニ風店舗で物色するも、今ひとつな品揃え。
駅の向かいにあるコンビニまで買いに走ろうかと思いましたが、あまりの暴風雨に断念。
朝からなにも食べていないので、ここで車内で一気にアルコールと食べ物を胃にたたき込むと、そのままダウンしてしまうと思い、時間つぶしも兼ねて駅構内にある食堂で定食を胃に収めることしました。
その後、先ほどの駅の売店でつまみとアルコールを少々。買い込んだ島根の地酒の他み、家から持参した酒も2合ほどあるので、準備万端。
そ、それよりも本日の山陰を襲った暴風雨により、山陰本線のダイヤが乱れています。まさか、サンライズ出雲の運休にでもなれば、明日の出勤が不可能となり、上司への電話の理由を考えながら一気に重たい気分になりましたが、駅員に尋ねると「サンライズ出雲」東京行きは定刻通り運行するとの事に安堵しました。
「サンライズ出雲」は出発の15分前には入線する予定ながらも、ダイヤが乱れている為に他の列車が定刻を過ぎてもホームにいるため、おおよそ5分遅れの入線となりました。
撮影している時間もありません。
動き出す前に室内の撮影を終え、急いで外に。
先頭まで走って撮影。ああ、もう時間がありません。
18:55発サンライズ出雲東京行き(4032M)は、定刻通り出雲市駅を出発しましたが、その後の列車交換で、ダイヤの乱れが直撃して徐々に定刻を遅らせていきます。
普段晴れていれば、まだまだ日照時間の終わり、マジックアワーが続いている時間帯ですが、古しきる雨の中もう車窓は光量があとわずかしかありません。
しかし、雨に濡れて汗だくになっている身体を1分でも早く洗い流したい衝動にかられていました。
ジャストなタイミングで車掌の検札。同時にアメニティセットとシャワーカードを渡されます。
そうです。そうなんです!!
帰りはシングルではなく、なんとシングルデラックスなのですよ!奥さん!!
6,000円近い差額がありましたが。疲れ果てた旅の最後に、たまにはこれくらいの贅沢も良いのではないかと。もうすぐ三十代も終わりだというのに、いつまでも貧乏旅行ばかりしている訳にはいきません。
という事と初めて乗るサンライズのインプレも兼ねての挑戦でした。
これくらい、普段の仕事でもストイックになれてればと思う今日の一時...。
せっかく頂いたアメニティですが、全てを持参している私としては、これを使う必要もなく、記念に取って置いてシャワー室へと向かいました。
シングルデラックスの乗客には同車両に専用のシャワー室があります。このVIP専用シャワー室が混んでいる場合には一般のシャワー室も利用する事はできまが、逆はできません。ちょっっぴり特権意識。
さすがに出発早々にシャワーを利用する人々はいないようで、一番乗り。
ちょっぴり緊張しながらも説明書きを読んでシャワーカードをリーダーに差し込みます。リーダーはカードを吸い込んだ後に、返して来ました。記念にという事でしょうか。
我が家のそれと比べても極めて清潔で近代的なシャワー室で、列車の揺れに耐えながらも、シャワーの連続時間は6分。停止ボタンもあるので、湯を止めば利用時間も止まります。自動車洗車用のコインパーキングとは違いますね。あちらは水を止めてもどんどんカウントダウンされていって、いざシャンプーで洗車後に車体を洗い流そうと思ったときはすでに時間切れとなっていたりして驚愕させられましたが、今回はそのような事はありません。
一番乗りでもあった為に、最初は「お湯」が出てくるまでに時間を要し、少々ハラハラとさせてくれましたが、結経シャワーの利用時間は3分ほどで、上から下まで洗い終わってしまいました。日頃の「カラスの行水癖」と貧乏性がここに出てしまいました。
その後シャワー室を出て壁の「洗浄ボタン」を押して終了。シャワー室内を天井からスプリンクラーで洗い流して、次は床からの強烈な送風で換装させます。いや壁面の水滴を吹き飛ばすのかな?
突然、何の前触れもなく行われたその行程に驚かされました。いや〜びっくりこいた!!
すっかり爽快な身になって室内にもどります。
あえて見ると、シングルデラックスはかなり贅沢すぎる造りでした。それは東京と北海道を結ぶ北斗星のデラックスよりも上を行きます。いやミサワホームのプロダクツによる室内の設えは、はるかにその上を行きます。
広いデスク。一般家具のようなチェア。洗面台等々。室内灯、足もと灯、デスク灯などなど。
すっかり貧乏が身にしみている私には、すべてが持て余し気味でもありました。もっとも夕方のマクドナルドでおおかたの作業は終了させてしまったのですが、これでは何か作業を考えなくてはと逆に思ってしまいます。
しばらくは日没後の車窓を楽しむ事にします。駅に停まる事に定刻の遅れが広がっていきます。
初日に東京駅を出雲へ向けて同じく「サンライズ出雲」で旅だったときは、その乗り心地の良さに感動を覚えたものですが、今日今この時に限っていえば、180度逆の展開に狼狽えてしまいました。
あまりに乗り心地が悪く、うるさいのです。これは線路の規格によるものである事は確実です。米子をすぎては伯備線の山間部に入っていくと、それは如実に感じる事になります。
高速化工事が完了している岡山ー新見間とはちがって、山陰側は昔のローカル線のままです。線形も悪く、レールのグレードも低いのでしょう。とても「幹線」と呼べる性格のものではありません。
それでも、感動は止みません。
線路のグレードアップを感じたのは大阪以北、大津以東でしょうか。名古屋〜静岡圏では、遅れた時間の回復運転を行うべく、猛スピードで突進します。
背中で線形のよさを感じるものの、サンライズ出雲の回復運転によって、暴れる車体に筆記もパソコン入力も支障を来すほどでした。
それでも、明日朝は1分でも時間が欲しい状況にあって、その激しい乗り心地・・・いや寝心地の悪さには目をつぶる事にします。逆に「ガンバって−」と応援してしまいました。
今朝は4:30に目が覚め、その後2度寝して6:00に起床。多少のストレッチと顔と歯を磨いてから、ベッドに横になってラウンドしたパノラマミックな車窓から空をひたすら眺めていました。
そうそう、シングルとシングルデラックスの違いの一つに、布団が毛布か羽毛かの違いがあります。
「電動髭剃り器」用にと書かれてある「ACコンセント」のブレーカー容量はわずが1A(100W)デジカメ充電器の充電はできるかも知れませんが、ノートPCはどうでしょう。少なくともうちのMacBookProの充電はまるで問題無く使えていました。
最後に熱海から根府川にかけての太平洋の風景にはちょっと感動したものの、横浜に近づくと見慣れた風景の為にまた横になりました。ただただ、横になったベッドから見上げるパノラマウィンドウと、その車窓から見える電線が描く「抽象的アニメーション」を見ながらも、あと数時間後には出社していると憂鬱が込み上げてくるのです。
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