この3連休は、かねてより夢見ていた丹後半島の先端部にある「伊根の舟屋」に泊まる旅に行くことにしました。
伊根は過去に2度ほど訪れていますが、宿に泊まるのは今回が初めて。初回はパッと見て通り過ぎ、2回目は伊根を見下ろす道の駅で車中泊でした。
さて、毎度奮闘する宿ですが、まず初めは素泊まりの民宿に泊まって地元の居酒屋でも....とも考えていましたが、伊根には肝心の飲食店が少ない上に、そのわずかな飲食店がこの連休中に営業しているかどうかも疑わしい。またそれらの店の多くは伊根の玄関口である平田地区に集中しているので、集落のコアである亀崎など半島の先端部に近い宿に泊まるにはこの上なく不便である。車で移動したとしても、飲んだら運転できないし・・・・。
しかし今回は「伊根の舟屋」に泊まるという事そのものが長年の夢であり目的でもあるので、ここで変に費用の事は考えず、今回ばかりは奮発して、伊根の舟屋民宿の中で最もグレードが高いとされる与謝荘へと電話してみる事に。
だめもとで電話をしたら、宿泊可能という事。2泊も大丈夫でした。
続いて、駅レンタカーも無事に確保完了。連休5週間前だったので、ギリギリの判断でした。あと1日遅かったら今回の計画も水泡に帰していた事でしょう。
レール&レンタカーの割引(運賃2割・特急料金1割)ですが、新幹線の場合「のぞみ」は割引不可なので、「ひかり」で。到着時刻はそれほど変わらず。OriBikeがあるので、席は列車の最後部を指定。これもギリギリ滑り込みセーフ。
5時に家を出て、東京駅から京都まで新幹線。今日の「ひかり」は700系なので、車内で無線ランが使えません。なのでこの3日間の予定を再検討する時間にあてました。京都から特急「はしだて」で府福知山に到着したのは10時45分。新型車両を期待したものの、列車はまさかの国鉄車両。あまり快適とは言えませんでした。レンタカーの手続きを終えて荷をほどき、
出発したのは11時と遅い出発。
この時期であれば、朝の4時から動き初められる事を考えると、7時間のロスとも言えます。
宿の夕食は18時からとの事なので、本日の残り時間は7時間。ちなみに3日目はレンタカーの返却時間が11時なので、3日間でも実質1日半くらいの日程しかありません。
この日程で、酒蔵15箇所、町並みや集落は10箇所近くを廻らなくてはいけないので、久々のハードスケジュールです。
当初は丹後半島をロードバイクで廻ろうかとも思っていましたが、今回のもう一つの目的が丹後半島の地酒仕入れなので、それは断念。
11時に福知山駅を出発して、まず最初は福知山郊外の上野地区にある東和酒造へ。
伝統的な農村型旧家の佇まい、偶然出くわした蔵元に案内されて「武勇・純米酒」を購入。
続いて、京丹波町の旧和地町本庄にある養老酒造へ。
建物は特に印象は薄いものの、併設している直売店での丁寧な対応。「養老・丹波一滴 純米酒」を購入。
和地町の駅前は「本庄」といって宿場町・市場町の様相ですが、これといった町並みはすでに無し。
ここから国道を綾部市市街へと向かって走ります。そして途中にある綾部市東山町山家の古い町並みを散策。かつてはここにも「京清水」という地酒を醸す菅井酒造がありました。現在は酒販店となっています。
山家の町並みを撮影した後は、綾部市の中心部に近い若宮酒造で「綾小町」純米酒を購入。
綾部市の市外を抜け町の郊外にある和紙の里、黒谷町の集落を散策。
黒谷町から旧大江町へといく道中、物部町東町筋にも現在は廃業しているかつての酒蔵があったので、寄って見たら、なかなかの町並みを発見。
大江町の町並みを歩く前に、1軒だけルートから反れた酒蔵へと足を伸ばしました。今後の旅程に組み入れる事は困難な場所にあるので、今日ここで行っておかないといけません。舞鶴市に唯一残る池田酒造です。由良川の河口近くにあって、川の対岸のすぐ近くにはハクレイ酒造があります。ここは過去に何度も訪れているので今回はパス。
再び由良川を遡って、大江町の中心部、河守へ。
その後、かつては大江町の酒蔵があった二俣地区へ。ここでなかなかなの町並みを発見。酒蔵あるところに町並み有りはここでも実証されました。廃業して日が経つのか、荒廃した酒蔵の姿にちょっと絶句。
続いて、福知山の西郊外にある岡野酒造場へ。立派な邸宅に建て変わっていましたが、酒販部はなさそうで、それよりも醸造しているような雰囲気でもない。う〜ん。もしかして酒造りをやめてしまったか?
そのままその先にある夜久野町額田へ。額田は山陰道の宿場町。まあ、駅も近く国道もバイパスして往時の町並みが”ひっそり”と残されていました。
ここで16時に。今日はこれ以上の散策は不可能。宿泊地の伊根までは70km近いので、ギリギリである。途中天橋立付近での渋滞も懸念されるので、大急ぎ。
伊根に到着したのは17:30でした。実に12年ぶりでした。
今回お世話になる「与謝荘」は伊根の玄関口である平田地区にあります。地上3階建てで、基礎部分からリフォームしたテレビ番組「大改造!!劇的ビフォーアフター」のような舟屋民宿です。
まあ、部屋割りは襖一枚隔てた、普通の民宿なのですが。
宿の方の配慮か、海を見下ろす角部屋ではありませんが、ベランダのある部屋で伊根湾と対岸の舟屋の風景を堪能する事ができます。
夕食は舟屋の半地下、海面すれすれにあるレストランで。
ガラス越しに伊根湾と対岸の舟屋を見ながらの夕食は格別。BGMにジャズが流れ、都会の高層ビルから夜景を見下ろすのに匹敵、いや旅情というものを考えれば、それの上を確実に行きます。
久々に感動。こんな食事、いや一日の終わりを体感したのは何年ぶり以来か。しばらく、スケジュール消化に猛進した強行軍の旅ばかりを続けていたので、こんな「まったり」と、いやここも一応は京都なので「ほっこり」とした贅沢で稀少な一時を過ごしたのは思い起こせば初めてかも知れません。
時は過ぎていきます。
伊根の夜は真っ暗でした。すっかり気持ち良くなって早めの就寝。
明日は4時に行動開始です。
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