2012年09月17日
ぶらり、北総の酒蔵巡りをして、香取市佐原の木の下旅館に泊まってきた【後編】
さて、すっかり満腹なったところで、銚子市街から国道126号線を走って九十九里浜まで南下します。
九十九里浜は千葉県の中でも、最も市町村合併が盛んに行われたところで、わたくしの持参した酒蔵資料の住所はほとんど役に立たちません。電話番号で検索するのでナビ上の案内はなんとかなるものの、訪問順路のそれぞれの位置関係の把握がしずらいので、スケジュールを立てづらくて時間管理ができません。
国道126号線は旭市からJR総武線に沿った内陸部を走るのですが、されではまるで面白くないし、千葉県内の国道はどこも混むというのが定説なので、旧飯岡町から沿岸部を走る主要地方道を走りました。
これが正解。風景も地方っぽくていいし、信号も少なく、交通量もほとんど無くて走り安いです。
八日市場市と合併して匝瑳市の一部となった旧野栄町にある宮崎本家へ。
酒蔵は通りから入った農村集落の中にありましたが、案内看板もなくナビが無ければ辿り着けませんでした。
ナビがあっても、周辺の道路上で案内は終了してしまい、あとは目的地を示すマークの位置から、勘と経験をたよりに細い私道を入っていって、1回目は失敗。2回目でなんとか「冨士乃友」を醸す宮崎本家を発見しました。
門から敷地内に入っていきましたが、直売所も事務所もありません。酒造場と蔵元の自宅だけ。連休という事もあって、開放的な自宅主屋を訪ねると、奥さんが気づいて対応してくれました。
4合瓶は純米酒だけ、という事でそれを買って蔵を後に。
続いて旧光町(現・横芝光町)にある青柳酒造が順番的に次に来るのですが、酒蔵の場所が海岸線から遠く離れた内陸部にある為に効率が悪いため、この蔵は復路に寄ることにして、海岸線沿いにある次の山武市にある4つの酒蔵を先に廻る事にしました。
まず最初は「総乃寒菊」を醸す寒菊酒造。旧松尾町にあります。この酒蔵がある場所も主要道路から奥ばった農村地帯の中にあり、事もあろうに今回もまたNAVIは、大まかな集落の近くで案内終了。
すっかり慣れたので、経験と勘で狭い私道を走り抜けてなんとか到着。
着いてホッとしたのが、寒菊酒造は大きかった。
地ビールも醸す寒菊酒造は駐車場にビアレストラン&売店を構え、酒蔵の方は豪農の旧家の佇まい。
寒菊酒造は地ビールだけでなく焼酎も造っていました。
狭い町道を縫いながら、なんとか地方道へ到着。
続く2軒は主要地方道飯岡片貝線沿いにあります。
まず最初の蔵は旧蓮沼町にある「舞桜」を醸す守屋酒造。
焼酎も造っています。商品も豊富に展開。
面白いラベルの純米酒を購入。
旧成東町にある梅一輪酒造はJRのキオスクや地域のコンビニにもワンカップを流通させているような酒蔵なので、おそらく酒蔵は工場のような規模だろう...と予測していましたが、案の定そんな感じでした。
しかし、工場の横に食品スーパーを兼ねた直売店を併設していたので、まあ酒蔵で購入という事にしましょう。
時刻は午後3時を過ぎています。
今日の宿には少しでも早く到着したい。
残る3軒のうち「ふさ正宗」を醸す石野商店は大網白里町にあって、すこし距離が離れている為、次回の南総酒蔵巡りの際に寄ることにしました。
そして残る2軒....。非常に微妙な2軒です。
何が微妙かというと、廃業している可能性が大なのです。
その2軒は同じ山武市内ですが、旧成東町にある「東姫」の東条酒造。そして先ほど復路に寄ることにしたという、旧光町にある「篠緑」の青柳酒造。
時間が無いのに、おそらく十中八九の確率で廃業しているであろう蔵まで走るやるせなさ。
しかし、万が一にもお酒を造っているかも知れないし、いずれにしても目で確認しないと後悔が残る。
夕方になってきた事もあってか国道はめちゃ渋滞化していました。
まず、最初の東条酒造ですが、それらしい蔵は見あたらず、崩れた門を構えた農家の庭先に積まれた酒のケースが見えたのでおそらくそこが東条酒造だと思います。確実に自醸はしていないですし、ほぼ廃業しているといって良いでしょう。たぶん....
国道は大渋滞で絶体絶命状態でしたが、このあたりは町並み取材の旅で行き来した事があるため、実は併走する旧道がある事を知っていたのでした。案の定旧道は他に走っている車はほとんど無い状態で、信号も無く一気にワープ。
一度国道に出ましたが、すぐに県道に入って山間部を駆け抜けました。
そして青柳酒造に到着。山の中の小さな農村集落にあり、集落を見下ろすような場所に建つ旧家です。昔は庄屋だったのでしょうか?
ここも、お酒を造っている...雰囲気が感じられない。まあ今日は3連休で酒造りも終わっている時期は時期なのですが....。
誰かいれば聞いてみようかと思いましたが、誰もいないのでそのまま蔵を去りました。
さあ、宿のある佐原まで一っ走りです。
山間部を縫うように走って、当初2時間の道程を1時間弱で走破。
佐原に到着したのは午後5時すぎでした。
前回来たのはいつごろだったか、後で調べてみると実に10年ぶりでした。
佐原の町の昨年の震災で大きなダメージを受け、まだその爪痕が残っていました。
同時に古い町並みが残るエリアは国の重伝建(重要伝統的建造物保存地区)に指定されている為に、建物の復元は許可されても、修復・修繕は許されずなかなか作業が進まないようです。
ただ、復興と同時に町並み地区の修景事業も進められているようで、町並みにそぐわないビルや建物は取り壊されて更地になっていました。
復元修理といっても昔と同じ材料、工法で行う訳ですからそのコストは馬鹿になりません。なので家を手放す家主が続出したといいます。それは佐原の町並み地区にある商家や町家に飲食店が多数テナントとして出店している事からも容易に想像できました。
この変化は震災によってもたらされたものですが、逆に町に活気を呼ぶ事になったのではと、好意的に捉えています。
そしてこの建物が今回お世話になる木の下旅館です。
明治期から続く老舗旅館ですが、家庭的なビジネス旅館でとても感動しました。
宿の詳細は「ぶらり、たびログ」に掲載します。
東京から1時間30ほどの場所に、新たな隠れ家を見つけたり。
いや〜とても充実した2日間でした。
ちなみに今回購入した地酒は10本です。
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しかし日本酒の宝庫ですね。たまりません。