ちょうど一ヶ月が経ちました。早いものですが、9月に行った「ぶらり、北総の酒蔵巡りをして、香取市佐原の木の下旅館に泊まってきた」
の続きです。
前回は千葉県北半分の酒蔵をローラー作戦で廻ってきましたが、今回は残りの千葉県南半分、まあ南房総とも南総とも呼ばれる地域の酒蔵を廻ってきました。
また、前回と同様に伝統的建築の老舗旅館に泊まります。今回の宿も勝浦にある国指定有形文化財「旅館 松の家」です。
昨晩は良く眠れなかったので、深夜3時に家を出て湾岸道路を走って千葉を目指しました。
太平洋側、つまり外房へ向けて房総半島を横断している途中から日が昇り始めます。ようやく九十九里海岸近くに到着したところで、近くのコンビニの駐車場にて仮眠。
まず最初の酒蔵は一宮町にあり「稲花正宗」を醸す稲花酒造です。
まだ蔵の開いている時間ではありませんが、ここのお酒はすでに飲んでいるので蔵の確認だけして先に進みます。
2軒目は合併して、いすみ市となった旧大原町にある「木戸泉」の木戸泉酒造。この酒蔵に来たのは二度目です。ここのお酒もすでに飲み済みなので次に進みます。まだ時刻は7時前です。仕込みの時期であれは、この時間にはすでに蔵人が動き出していたりしますが、この季節は人影一つありません。
3軒目「岩の井」を醸す岩瀬酒造は御宿町にあります。蔵は中心市街のちょっと南側。細い路地を入っていくと、まさに豪農か庄屋かと思わせる大きな醸造所と母屋が姿を現しました。ここのお酒もすでに飲んでいるので、次の蔵へと進みます。
次の勝浦町は本日の宿泊地でもあります。
酒蔵の前に本日お世話になる旅館 松の家と勝浦の町並みをチェック。古い町並みはあまりありませんね〜。でも活気のある町である事はわかりました。
さて、4軒目の酒蔵と5軒目の酒蔵はこの勝浦町にあります。
最初の酒蔵、東灘醸造は隣接する串浜地区にあります。国道の旧道に入って、そこから一軒見落としてしまうような細い路地に入ります。そして、JR外房線の超〜狭い線路下を潜ると、今度はいきなりの目の前に東灘醸造はありました。この道を原材料や商品を積んだトラックが行き来するのでしょうか?するのでしょう。
敷地内は広く、歴史のある酒蔵の佇まいでした。
時刻はまだ8時すぎなので、当然売店は開いていません。というか今日はお休みでしょうかね。今夜宿泊する勝浦市内の酒屋で調達する事にしました。
さて、蔵のある場所から戻るのも一苦労です。
5軒目の吉野酒造が醸す「腰古井」は千葉県の地酒を代表する有名な銘柄です。もちろんわたくしも飲んでいますので、今回は蔵の確認だけです。蔵のある場所は隣り港の上総興津から山間部に入っていきます。
後ほど訪問する南総の城下町、大多喜から日蓮の上陸地として、その門前町として発展した天津小湊町(現在は鴨川市)を結ぶ主要地方道沿いにあります。
吉野酒造に関しては過去に本で読んだ事があるのですが、予想以上にオープンな酒蔵に意表を突かれました。そして吉野酒造は平日土曜は朝8:30から開いているのです。日祝日でも10:00開店。数年後に訪れてみたいと思います。
次は酒蔵ではなく、ちょっと町並み探訪。
安房郡天津小湊(天津は”てんしん”ではなく”あまつ”と読む)町(現在は鴨川市)は、日蓮の上陸地として、日蓮宗の大本山・誕生時の門前町としても発展した港町です。(日蓮宗の総本山は山梨県の身延山)
この天津小湊から山間部へ直線で約5kmの山間部。標高377mの清澄山の山麓には日蓮が出家した寺として知られる、もう一つの日蓮宗の大本山・清澄寺(せいちょうじ)があり、その門前町が形成されていると言う情報を得たので、これは是非にも行かねばなりません。
清澄寺は日蓮が出家および立教開宗した寺とされ、身延山久遠寺、池上本門寺、誕生寺とともに日蓮宗四霊場と呼ばれる由緒ある古刹である事は、門前にあるおみやげ屋からも感じられます。その前後に集落が形成されていますが、門前町というような雰囲気ではありません。
商業的というよりも参詣客開いての宿、宿坊的な集落だと思います。モータリゼーションが発達した今の時代はその役割も終えたのでしょう。
さて、時刻は10:00です。
今日は朝から何も食べていないのですが、それはある目的のため。
そう、勝浦のB級グルメで知られる、「勝浦タンタンメン」を食べ歩く為です。しかし、酒蔵も廻らなければいけない。時間との戦いです。
勝浦市内に30軒近くある「勝浦タンタンメン」のお店は、そのほとんどが11:00の開店。そんな中でも10:30開店で最も最寄りにある店が、上総興津にある精肉店が経営するラーメン店「肉屋のこだま」です。これはある意味期待が持てそうです。
この「肉屋のこだま」のタンタンメン(勝浦タンタンメンはすべてカタカナ)は40年の歴史を誇るとか。そもそも港町勝浦で坦坦麺が広まった理由は、漁師や海女の冷えた身体を温める為。勝浦タンタンメンは一般的なゴマダレ(芝麻醤)は入れずに、玉ネギで甘みを出したスープにラー油のみというシンプルなもの。
「肉屋のこだま」のタンタンメンは、麺が好みの中細打ちである事もあって、朝からややヘビーでしたが、とても美味しかったです。650円。
次は、勝浦から城下町大多喜に向かう、国道297号線沿いにある「ぴかいち」です。この国道沿いには数多くの勝浦タンタンメン店がありますが、その中でこの店を選んだ理由は。なんとなく....
まあ、気がついたら通り過ぎていたり、車が止めにくかったり、店の雰囲気が.....(やばそう)、さらに朝からテレビの取材が来ていた店があったりと、でこの「ぴかいち」は無カンスイの自家製麺を初め、ラー油も自家製とこだわりのお店のようだったからです。
店内には2人しかいませんでしたが、出てくるまでにかなりの時間が掛かりました。で、肝心のラーメンはというと、澄んだラー油にタケノコやシイタケのみじん切りと、中華料理の坦坦麺に近い具が挽肉と玉ネギベースのスープにトッピングされ、食感も楽しめます。さらに細切りチャーシューです。
自家製麺も良かったですね。これで800円です。
3軒目は...時間が無いので酒蔵へと急ぎます。
城下町大多喜です。もう、ここは3回くらいに来ています。
そこそこ古い町並みや城下町特有の町割りが残っている町です。そして「大多喜城」を醸す豊乃鶴酒造も何度も撮影をしていますが、いつも訪れるのは早朝なのですよ。当然お店も開いていません。それにまだその当時は酒蔵巡りはあまり精力的に行っていない時期でもありました。
そしてようやくこの酒蔵のお酒を手に入れる日がやってきたのです。
小売部は通りに面した重厚な商家ではなく、敷地内の蔵にあります。
この豊乃鶴酒造のお酒は、ほとんどが生酒か生貯蔵酒でした。今回は1泊で、蔵の方も平気だというので生貯蔵酒を購入。
本日1本目のお酒をゲットしました。
つづいて7軒目の酒蔵は鴨川シーワールドで有名な鴨川市。町の中心分の少し外れにある秀楽酒造へ。
蔵らしき民家には「秀楽酒造」の看板は無し。その向かいに同酒造の小売部であろう「渥美酒店」があった。
どうも廃業しているような雰囲気。荒れ放題のお店は開いておらず、店内を除くと自社の「秀楽」が棚に並んでいました。
しばらく店の前にいましたが、誰も人影が無いので先を急ぎます。
地元のスーパーも除いてみましたが、「秀楽」1本も置いていませんでした。これは廃業の臭いが....?
(あとで調べたら同社はまだ健在で、地元のセブンイレブン鴨川大里店で取り扱っているとの事)
8軒目も同じ鴨川市内の酒蔵ですが、海から離れた内陸部にあり、内房方面に半島を横断する街道沿いにある「亀田酒造」です。同社の銘柄「寿萬亀」は南房総ではかなり有名。大抵の酒店やスーパーに置いています。
大きな駐車場完備の綺麗な小売部の店舗で本日2本目の酒を購入。
さて本日最後の蔵は房総半島最南端の酒蔵で、旧千倉町にある千倉酒造へ。
ただ、この千倉酒造はかなり微妙な臭いがプンプンしていまして、廃業している可能性が大なのです。千倉町はかなり距離が離れていまして、ほぼ廃業していると分かっている蔵にわざわざ足を運ぶべきか迷いましたが、実際に目で確認しないと後で後悔する事になります。
で、ナビが示す場所に着きましたが酒蔵らしき建物はありません。
あるのは新しいテナントビルがあって、そこに増田屋本店という酒屋がありました。その増田屋本店の電話番号は千倉酒造と同じ番号。こ、これは...と店の方にお話を聞いてみると、ビンゴ!!千倉酒造は酒造りをやめたそうです。現在は依託醸造で昔からの取引先限定で少量だけ瓶詰め。なので一般に小売りはしていないとの事。
とりあえず、本日の酒蔵めぐりは終了。
宿のある勝浦へ戻って、地元の酒屋で「東灘」を購入。この東灘酒造のお酒も旬なものは火入れしていない「生」が多かったですね。まあ、熱燗の季節になってきたので、普通の純米酒を買いました。
そして旅館 松の家です。
宿に入ると仲居さん...ではなく元気な若い学生のアルバイトさん達。この手の宿としてはめずらしく、結構活気がありました。一人旅のわたくしは、国有形文化財の本館ではなく、あたらしい新館に通されます。う〜ん。
さっそく1日の疲れを洗い流すか...と思ったらお風呂は小さくて完全予約制。な、なんと9時まで埋まっているではないですか。あと、旅館というよりは大きな民宿に来た感じです。
仕方がないので洗面所で顔をあらって、夕食の時間までビールを開けてしまいました。
夕食は海の幸づくり。
いや〜おいしかったです。ビール2本に日本酒1合と、ちょっと飲み過ぎましたが。
食事の後には眠ってしまい、気がついたら9時。急いで風呂に入って身体だけ洗って、そのまま就寝。
1日目はおしまい。
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