
先週は東北と新潟を鉄道で廻る旅をしましたが、今週は先立つものが無いのと、いろいろとする事は溜まっているので自宅ですごす事に。
仕事も結構忙しく、暖かくなったり寒くなったりとなにかとバタバタして落ち着かない一週間でした。
ちょうど京都の地酒も無くなり、家のストックを補充するためにブラリと近県の酒蔵を巡る事にしました。ひさびさの土曜日に、すっかり交通状況も忘れ、大渋滞の関越自動車道に乗ってしまい、なんとか埼玉西部の飯能から秩父・上州へいたる街道を北上する事にします。この路沿いには数多くの酒蔵があり、前々からプランがありました。
当初は「お燗」向けに本醸造か普通種の上レベルあたりを買いそろえる予定でしたが、今の季節は「新酒・初しぼり」の時期です。「季節限定」、「蔵元限定」の文句に負けて、な「生酒」ばかりを買ってしまいました。思えば冬の旅行では日数の関係から蔵元直売の「新酒・生酒」の購入を断念するケースが多かったのですが、今回は自宅から2時間弱の距離。ここぞとばかりに買い進めていきます。しかし、晩酌用の「お燗酒」はどうする・・・。

今回、何度も通っている街道ながら、2軒の酒蔵がある越生に往時を偲ばせる家並みを発見。そして越生酒造という酒蔵とも出会う事に。ぱっと見、旧家である事は瞭然の酒蔵ですが、あまりに地味な印象。伝統的な商家建築を保存維持している酒蔵は数多くありますが、多くは直売所をリニューアルして、お客を迎え入れています。
しかし、この蔵・・・営業しているのか、それとも廃業しているのか分からない。でも、ガラス窓から蛍光灯が灯る薄暗い店舗には、今風にデザインされたラベルのお酒が、豊富にラインナップされている。もよう・・・。おそるおそる木製引き戸をあけて店内に入ると、ベルが奥の建物へ向けて鳴り響く。閑散としたテーブルの上には地酒ネットワークのチラシが、それも新しい。
しばらくして蔵人のおっちゃんが出てきた。かなり腰は低めで、いかがしましょう?といった感じ。お酒のラインナップの中には英語のラベルもある。海外へも販路をもっているのか。どうやらこの蔵のお酒は一升(1.8L)しか無いようで、それでも一部数量限定で四合(720ml)も瓶詰めしてる。この日の四合瓶は一種類のみ。本醸造原酒。
おっちゃんの熱心な説明と、熱く自信に満ちたその語り口に、一般的な本醸造酒が2本買える値段のそれを買って店をでました。
家でそのお酒を見ると、まあ搾りたての本醸造原酒なのですが、精米歩合がなんと35%。大吟醸レベルではありませんか。そしていろいろ調べると、かなり強い確信とプライドを持ったこだわりの酒造りをしている蔵のようでした。かなりのファンがいる事もうなずけます。
手作り感のある拙いホームページも、あえて広告(サイト制作費)にお金を掛けずとも、固定客で十分にやっていける証拠なのでしょう。
思わぬところで、思わぬ出会いがある。ネット通販も一般に市販されない限定酒があるので活用しますが、それでもこれだから酒蔵巡りはやめられません。
越生酒造「来陽」オフィシャルサイト
来陽 野武士 720ml (本醸造・原酒)越生地元の酒屋さんで、越生酒造の他に埼玉西部・秩父地域の地酒がそろうお店です。
奥武蔵のうまい酒 近江屋